何が問題なのか
●UECSの標準通信規格に準拠すれば、各社のどのような機器でも相互接続・共存が可能です。それらを使用する応用各社からUECSに対応した機器が開発・販売されています。これらを使用することによって、環境等の計測制御をUECSのインフラで使用可能になります。しかし、(1)市販の機器は小規模温室に導入するのには高価である、(2)製品が市販されていない用途・研究開発では全て自作する必要がある、という問題点があります。
●(1)に関しては、市販の低コスト機器を使用する低コストシステムが一部市販されています。例えば、ワビット社から発売されているUECSゲートウェイ for おんどとりなどがあります。しかし、まだまだ数が少ないです。
●(2)に関して、以前は、UECS開発用のコンピュータ基板とミドルウェアを販売する会社があり、それを用いて開発を行うことができました。しかし、その会社はなくなってしまい、現在は入手不可能です。また、キャンベルサイエンティフック社のCR-1000という研究者が良く使用する有名なデータロガーをUECS準拠で通信させるソフトウェアがあり、ある程度の知識があれば、それを使用して研究開発用の試作システムを作ることが可能です。このソフトウェアは、UECS研究会の会員ならば、会員専用ページからダウンロード可能です。しかし、まだまだ敷居が高いのが現状です。
UECS環境計測ノードの試作例、左がArduinoを使ったもの、右がRaspberry Piを使ったもの。温湿度とCO2ガス濃度を測定できる。
試作したUECS環境計測ノードをネットワークにつないで、パソコンの一般のWebブラウザを使ってアクセスした例。画面の左下がArduinoで製作したもの、右上がRaspberry Piで製作したものの環境測定値を表示させているところ。