環境を見える化してスマート温室の実現を!

植物の成育は、様々な環境要素に影響を受けます。これまで、気温(温度)を中心に温室の環境制御が行われてきました。この理由は、温度測定器(センサ)だけが安価だったからです。このほかに、植物の成育に大きな影響を及ぼすものとして、各種湿度(相対湿度、絶対湿度、飽差、露点温度)、CO2ガス濃度、土壌水分、気流(植物体周辺の風速)があります。近年、電子技術の飛躍的な進歩によって、これらの環境要素を測定できるセンサを低コストで手に入れられるようになりました。

植物は、水と、CO2ガスと光を元にして、光合成を行い物質生産をします。つまり、温室内のこれらをきちんと測定し、確認し、制御することによって、生産性をあげることが可能なのです。また、植物は、根から吸水し、葉から水蒸気で放出する蒸散を行っています。これによって、体内の物質輸送を行います。蒸散のスピードは、土壌水分、根の吸水、葉の面積、気孔の開き具合、風速、飽差などに影響を受けます。蒸散のスピードが大きくなれば、植物はそれだけ良く生育します。つまり、ここにあげた各環境要素を測定し、記録し、分析すれば、あなたの栽培している植物をさらに良く育てられるようになります。

センサの価格が安くなりましたが、温室用環境測定装置として市販されているものは、1セット20万円以上するものが多く、使い始めるためには悩む金額です。計測制御を低コストに実現するために、日本でユビキタス環境制御システム(UECS)の開発が2004年に始まりました。それから10年が経過し企業コンソーシアムも結成されました。ここでは、数万円の実費でUECSの標準規格に合わせた機器をまず自作して自分の温室の環境を測定し、データに基づいた科学的農業(スマート農業)を実践できる情報を掲載しました。制御機能を追加することも可能です。UECSの規格に合わせておけば、市販されている製品との連携も可能です。さあ、あなたもスマート農業にチャレンジしてみませんか。

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